25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
俺が妻に電話を掛けたのは、それから少し経ってからだった。
『もしもし、お疲れ様!』
深夜にも関わらず、明るい声で電話に出た妻に
「すまん。終電逃してしまった。明日も出なきゃならなくなっちゃったんで、今夜はこのまま泊まらせてもらうよ。」
懸命に平静を装って、そう告げると
『わかった。大変だねぇ、いつも。ちゃんとご飯食べた?』
「うん・・・。」
『じゃ、あとはゆっくり休んでね。明日は何時頃、帰れるか、目処ついたら電話ちょうだい。パパの好きなお夕飯、用意しとくからね。』
「ありがとう。」
『じゃ、おやすみ。明日はなるべく早く帰って来てね。』
「わかった。おやすみ、戸締まりよろしくな。」
『うん、チュッ。』
屈託ない声と、最後にそんなリップ音を残して、妻は電話を切った。
途端に、山下がシャワーを浴びる音が耳に入って来て、猛烈な罪悪感と後悔が襲って来る。
(朱美、すまない。許してくれ・・・。)
本当にそう思ってるなら、今からでも遅くはない。あんなに無邪気に自分を信じてくれている妻をお前は本当に裏切るのか?
また始まった俺の中のバトル、しかし俺は結局、部屋を出ることはなかった。
『もしもし、お疲れ様!』
深夜にも関わらず、明るい声で電話に出た妻に
「すまん。終電逃してしまった。明日も出なきゃならなくなっちゃったんで、今夜はこのまま泊まらせてもらうよ。」
懸命に平静を装って、そう告げると
『わかった。大変だねぇ、いつも。ちゃんとご飯食べた?』
「うん・・・。」
『じゃ、あとはゆっくり休んでね。明日は何時頃、帰れるか、目処ついたら電話ちょうだい。パパの好きなお夕飯、用意しとくからね。』
「ありがとう。」
『じゃ、おやすみ。明日はなるべく早く帰って来てね。』
「わかった。おやすみ、戸締まりよろしくな。」
『うん、チュッ。』
屈託ない声と、最後にそんなリップ音を残して、妻は電話を切った。
途端に、山下がシャワーを浴びる音が耳に入って来て、猛烈な罪悪感と後悔が襲って来る。
(朱美、すまない。許してくれ・・・。)
本当にそう思ってるなら、今からでも遅くはない。あんなに無邪気に自分を信じてくれている妻をお前は本当に裏切るのか?
また始まった俺の中のバトル、しかし俺は結局、部屋を出ることはなかった。