25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
「だけど、このまま一緒にいたら、きっと嫌いになる、憎むようになる。だって、信じられないんだもん、疑いたくないって思っても、やっぱり疑っちゃうんだよ。」


「母さん・・・。」


その私の言葉に、愕然としたようにこちらを見る次男。


「私達は生涯、お互いを愛し抜こうって誓い合って結婚したの。だけど、情けないことに、それを貫けなかった。でも・・・せめて憎み合うような2人にだけはなりたくない。だから・・・もう一緒にはいられない、いちゃいけないんだよ。たぶん、お父さんも同じ気持ちだと思う。」


必死になって、私は言葉を紡ぐ。


「ごめんなさい。愚かな私達を許して、ね・・・。」


そう言って、頭を下げる。


「もうすぐ、試用期間が終わる。そしたら正式採用になる。やっと自分の力で金稼げるようになるんだよ、俺。」


「清司・・・。」


「やっと自分達の力でやってやれるようになったんだよ。あんた達からもらった小遣いを貯めたんじゃなくてさ、自分達の稼いだ金で。」


「・・・。」


「11月だろ、もうすぐじゃねぇかよ。25年だろ、銀婚式なんだろ。兄貴と2人で、盛大に祝ってやろうって、張り切ってたのにさ。よりによって、こんな時に別れんじゃねぇよ。ふざけんな!」


そう言って、私を怒鳴りつけると、次男はダイニングを飛び出して行った。


ごめんなさい、溢れ続ける涙を止めることなど出来ずに、私は心の中で、そうもう一度次男に謝ると、頭を下げた。
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