25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
「まぁ食事は自炊してるとは、とても思えないけどね。今朝は自分達でトースト焼いてたけど。それに掃除や洗濯なんて、ほとんど機械がやってくれるんだから、今まで何にも出来なかった方が、どうかしてるんだ。」


と言って長男は笑う。


「で、もう父さんとは全然連絡取ってないの?」


「うん。だって私達はもう・・・。」


「まぁ確かに他人だもんな。そんなもんかもな。」


私が飲み込んだ言葉を引き継ぐように口にした長男は、仕方がないなという表情になる。その表情になぜか申し訳ないという気持ちを抱いてしまう。


そのあと、私達は少し話を続けたが、私も後半戦に備えて、昼食を摂らなきゃならないし、制服姿でいつまでもこんな所に居ると、サボってると誤解されてしまう。


「じゃ、頑張って出世しろよ。正社員登用制度もあるんだろ?」


「バカだね、そんなの無理に決まってるじゃない。齢を考えて?」


「そうなの?じゃ前みたいにパートリーダーとかなればいい。生活掛かってるんだから、時給少しでも上げないと。」


「はいはい、わかりました。頑張ります。」


そんなことを言い合いながら、私達は笑いながら席を立つ。


「また顔を出してよ。今度はご飯一緒に食べようよ。」


「そうだね。じゃ、また近いうちに来るよ。話したいこともあるし。」


「そうなの、なに?」


「ここじゃなんだから、また落ち着いて話せる時にね。それより母さんに1つ頼みがあるんだけど。」


「何?改まって。」


私は長男に尋ねた。
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