25年目のI love you~やっぱり一緒に・・・②~
「写真、撮らせてくんね?」


「えっ?」


「制服姿、結構イケてんじゃん。待ち受けにさせてもらおうと思って。」


「バ、バカなこと言わないで。」


いい齢した男子が、母親を待ち受けにするなんて・・・驚く私に


「いいじゃん、照れんなよ。」


「親をからかうのもいい加減にしなさい。」


まさかこの子もマザコンの気が・・・?私は本当に慌てる。


「わかったよ。じゃ待ち受けは諦めるから、とりあえず撮らせてよ。友達に俺のオフクロ若いだろ、くらいの自慢させてくれてもいいだろ?」


そのあとも、少し押し問答したけど、結局撮らせてしまった私は、やっぱり母親として、間違っているし、息子の育て方を間違っちゃったの、かな・・・?


そう自問していると


「ありがとう。でも母さん、これからモテそうだな。」


携帯を見ながら呟く長男の言葉が耳に入って来る。また、その話・・・もういい加減にしてよ。


「モテるわけないでしょ、あんまり変なこと言わないでくれる?だいたい、もうあんなこと、絶対にしたくない。本当にコリゴリなんだから。」


少し声を荒げて、そう言うと


「あんなことって、不倫・・・のこと?」


そう聞いて来る長男に、私はハッと顔を伏せながら頷く。


「何、言ってんだよ。」


「えっ?」


「母さん、もう独身なんだぜ。」


「・・・。」


「だったら、わざわざ既婚者を相手にしない限り、不倫になりようがないじゃないか。」


不思議そうにそう言った長男の顔を、私は思わず見つめてしまっていた。
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