25年目のI love you～やっぱり一緒に・・・②～

なかなか1日を一緒に過ごすチャンスはなかったけど、私達がやってることは間違いなく「お付き合い」だった。


それは男女が知り合い、分かり合って行く過程においては、必要不可欠なプロセス。そして心を通じ合わせ、もっと相手に近づきたくなり、もっと相手と一緒にいる時間が欲しくなり、心だけでなく、身体も許し合い、1つになって行く。


そして、お互いを生涯のパートナーと認め合えれば、結婚し、幸せな家庭を築く為に、手を携えて歩んで行くことになる。私達もそうやって、夫婦になった。　


だけど今・・・そのプロセスは私達に必要なんだろうか？もう1回、彼氏彼女からやり直してみよう、確かに私達はそう約束した。


でも私達は初めて出会ったわけじゃない。久しぶりに再会したわけでもない。ほんのひと月ちょっと前まで、夫婦として、一緒の時間を過ごしていた。お互いのことなんか、ハッキリ言って知り尽くしてる。


私達は銀婚式まで、あと数カ月という時期に別れを選択した。お互いの愛情がなくなったわけじゃないことは、自覚している。


本当に最後の最後まで迷った、これでよかったの？何度自問自答しただろう。


隆司さんと離れていた1ヶ月余り、正直寂しかった。あの人に会いたい、声を聞きたい、そう思ったのは１度や2度じゃない。


だから、今また、隆司さんと過ごす時間は嬉しい。でも・・・じゃ私達はなんで別れたの？何度も踏み留まろうとしたのに。周囲も反対の声が多かったのに。


それは「愛情」はあっても「信頼」が私達の間から失われてしまったから。


もう1度、彼氏彼女からやり直そう。その約束は、甘美に耳に響いた。だけど25年もの月日を夫婦として過ごした私達に、それって現実的に可能なの？


そして、もし今私達がしていることが、それだとして、じゃ、この関係を続けることによって、また失ってしまった「信頼」が戻って来るの？


私の中で、その疑問が徐々に大きくなって行く。