奇跡の軌跡
「ベッドはうちが寝るから!あんたら布団な。んじゃ風呂入ってくるわ〜、すぐあがる!」

真実はそれだけを言ってお風呂に行った。
隼くんと2人は気まずい。だから特に会話することも無く私だけ布団に入って携帯いじってた。
宣言通り10分程度でお風呂から上がってきた真実は隼くんに髪乾かしてもらってる。
特にしたいことも無い私は2人を眺めてた。
髪を乾かし終わったらしい。真実は部屋の電気を消してベッドに寝転んでPUPGしだした。
そしたら何を思ったか、隼くんが私と同じ布団に入ってきた。まぁ、布団1つしか無いからやろうけど。
隼くんと2人で奏との馴れ初めの話したり、真実の様子みて2人で笑ったりして、ふと私が顔を上げたらすっごい近くに隼くんの顔がある。
微かに隼くんからビールとミンティアの匂いがする。
奏がおるのに、ドキドキする。今私に彼氏がおらんかったらどれだけ嬉しいことか。抱きつきたい。キスしたい。あー、最低。自分。
明日岡山に行くけど、正直奏とは上手くいってない。3ヶ月周期で別れてより戻しての繰り返し。
今日だけ忘れたい。隼くんと一緒におりたい。
やめよ、あかんや。

「隼くん、ミンティアとビールの匂い混じって臭い!(笑)」

変な空気をどうにかしようと言ってみた。
けど、「ビール臭いよりはマシやろ?」だけ言われて、ギュッてしてきた。
距離が近いのにドキドキして「何ゆっとんねん〜」って笑いながら上を見たら、隼くんと唇が触れ合った。
でも隼くんは離れようとせん。やばい、ドキドキする。奏がおるからあかんねんって。抑えきかんくなってまう。

「なぁ…隼くん?口、当たってる…」
「うん」

エスカレートしてきて、隼くんに抱きしめられながらキスを長く深く ー…。

そこからは何も無かった。
というか私が眠ってもただけやけど。
朝隼くんの携帯のアラーム音で起きて、抱きついてることに気づいて離れた。
ほんまは連絡先聞きたい。でも聞けるはずもなくバイバイした。
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