2人のあなたに愛されて~歪んだ溺愛と密かな溺愛~
12月3日。


今頃、私は、ウエディングドレスを着て、みんなに祝福されてるはずだった。


柊君と…幸せな人生を歩む、スタートの日になるはずだったんだ。


樹さんは、気遣ってくれたんだろう…


きっと、そんな日に1人で過ごすのは可哀想だからって、私の気持ちを発散させるために、ここに連れて来てくれたんだ。


私は、その好意に…甘えることにした。


『じゃあ、僕から投げる』


樹さんも、ボウリングは久しぶりみたいだった。


結構重さのあるボールを、綺麗なフォームで投げた。


『ストライク!すごいじゃないですか、樹さん』


ものすごい勢いのあるボールに当たって、10ピン全部倒れた。


思わず大拍手。


次は、私の番。


緊張するけど、私は、昔の感覚を思い出しながら、軽めのボールを投げた。


ボールは、コロコロ転がって、ピンの真ん中を割って、向こう側に吸い込まれていった。
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