エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
「なんだよ。決まったのか? こっち見て笑うな」
彼は悪態をつきながら、スーツのポケットから日菜子のメガネを取り出して自らかけた。
それはいつも日菜子が自分の表情を隠すために使っているメガネ。今は拓海がはにかんだ顔を隠している。
「ふふ……ふふふっ」
無性におかしくなった日菜子は、メニューで顔を隠し肩を揺らして笑う。そんな彼女を不機嫌な様子の拓海が軽く睨んでいた。
(よかった……とりあえず、わたしの気持ちは伝わったみたい)
「そうやって、いつも思いっきり笑っていればいいだろ」
メニューを置き顔を上げた瞬間、拓海の柔らかい笑みが目に飛び込んできた。
ドクンと心臓が強く脈打つ。思わずみとれてしまった日菜子に、彼が腰をあげてメガネをかけさせた。いつもの感覚が戻ってきてほっとする。
どういう風の吹き回しだろうかと、しっかりとメガネを掛け直して顔を拓海に向ける。
「でもまあ……そういう可愛い顔は、特別な相手だけに見せればいい。俺はもう見たから今日はもう隠しとけ」
椅子に座り直し頬杖をついた拓海の目がいやに優しい。
見つめられることに慣れていない日菜子は、もう一度しっかりとメガネをかけて赤くなる顔を隠したのだった。