エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
そして決戦の金曜日。
拓海との待ち合わせのお店についたのは、十九時半。
指定された店は、人気の焼肉店だった。予約をしてあると言っていたので拓海の名前を入口で告げるとすでに彼は到着しているようで個室に案内された。
「おつかれ。迷わなかったか?」
先に到着していた拓海は日菜子を奥の席にすわらせると、メニューを手渡してきた。
「ビール、飲むだろ?」
「うん」
熱い中、時間ギリギリだったせいで早足で歩いてきた。喉がからからだ。
「ごめんね。待たせたみたいで」
「そんなに、待ってない。ここちょっとわかりにくい場所にあるから一緒に来ればよかったな」
拓海はおしぼりで手を拭きながら、メニューを眺めつつそういった。
普段は口も悪いし態度もでかい。けれどこういう細かい気遣いをきちんとしてくれる。
これまで周りにぞんざいに扱われてきたことが何度もある日菜子は、丁寧に扱われることに戸惑いとともにうれしさを感じていた。
「斉藤さんが今日はデートらしくて、手伝ってたらギリギリになっちゃった」
「ふーん。でも、お前だって俺とデートだろ。そんなのほうっておけばいいのに」
なんでもないことのようにさらっと言った拓海をよそに、日菜子はその〝デート〟という言葉の響きに言葉がでなくなった。
(これって、デート……なのかな?)
向こうがそういうのだから、そうなのかもしれない。けれどもしかすると、冗談でそう言ったのかもしれない。
ぐるぐると答えを求めて頭を回転させる。
「なあ、適当に頼んでいいだろ?」
「え? あ、うん。お願い」
メニューを見ている拓海を凝視しながら考えこんでいた日菜子は、あわてて視線をそらせて答えた。
「生もの以外は平気だったよな?」
「う、うん」
「どうかしたのか?」
挙動不審になってしまった日菜子を、拓海が不思議そうに見る。