エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
(その中の誰かと……彼が?)

 想像しただけで、胃の奥が重くなる。

 暗い表情になった日菜子を見て、美穂が小さくため息をついた。

「イジワル言ってごめんね。でも恋愛って待ってるだけじゃダメな時があるんだから。

これまで誰にも抱かなかった気持ち、無駄にしていいの?」

 そう言われて気がついた。これまで数人をのぞき男性はおろか女性とも距離をとってつき合っていた。自分が誰かを「好き」になるなんて、実感がなかった。

 けれど拓海への気持ちは、まだ小さいけれどそれでも確かなものだ。それを無駄にしてしまっていいのかと自分に問いかける。

「無駄にしたくない。がんばりたい」

 力のこもった声だった。

「そんなに力入れなくても」

 美穂がケタケタと笑う。

「まあ、向こうも嫌いな相手を食事に誘ったりはしないだろうから、デートしっかり楽しんできてね」

「デ、デートって……」

「立派なデートでしょ?」

(そうだと……いいな)

 後ろ向きだった日菜子の気持ちが、ゆっくりと前へと進みだす。彼の気持ちを知って、自分の思いを伝える。

 不安を打ち消すように、日菜子はスマートフォンにメッセージを打ち込む。

【楽しみにしています】

 これが拓海の誘いに、日菜子が初めて前向きな返事をしたメッセージだった。

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