あやかし神社へようお参りです。②
────かげぬいのことを思いだした。
かげぬいの記憶を見て、彼が待っている人はもうこの世にはいない人なのだと分かってから、その事実を伝えるべきなのかどうか悩んでいた。
たくさんのひとの亡骸を見て、胸に果てしない虚しさを抱えていたかげぬい。
永遠に続く夜のように思われた毎日を照らしたのがあの少女だった。
そんなあの少女が、もうこの世にはいない人なのだと分かったらどう思うだろう。知らないまま少女を待ち続ける方が幸せなのだろうか────。
心地よいとは言い難い揺れに、だんだんと意識が覚醒していく。それと同時に頭の奥がずきんと痛み、思わず体に力が入る。
「起きたか」
耳の傍で淡々とした声が聞こえる。誰だろうと一瞬考えて一気に目がさえた。直ぐに状況を把握する。私は背負われていた。驚いて身じろぐと、
「暴れるな」
前を向いたまま表情を変えずにそう言ったのは賀茂くんだった。
「あ、歩ける。おろしてッ」
「耳元で喚くな」
私の要求はその一言でばっさりと切り捨てられた。
「どこに向かってるの」
返事の代わりに沈黙が返ってきた。腹立たしさが沸き上がるも、また頭の奥が痛んで口を噤んだ。