あやかし神社へようお参りです。②


 その翌日は清々しい朝だった。心地よい風が吹き抜ける社頭を通って本殿へ入ると、昨日は会えなかった三門さんと健一さんがもうそこに座っている。その隣には大輔おじさんもいた。三人とも白衣に袴を身に着けている。


 「おはようございます」


 挨拶をしながら歩み寄る。いつもと変わらない笑みで返事をした三門さんの隣で、健一さんがひとつ大きな欠伸をする。欠伸に混じって「おはよう」と言っていたような気がした。


 「健一さん、眠そうですね」

 「たまんねえよ……。朝拝が嫌でさっさと実家を飛び出したのに」


 隣りの大輔おじさんが健一さんの頭を容赦なく叩いた。


 「恥ずかしいと思いなさい。まだ高校生の麻ちゃんでさえ、衣服を整えて毎朝出席してるんだぞ」


 深い溜息を吐いた大輔おじさんは、苦い顔を浮かべる。


 「おはよう麻ちゃん。これは手本にしてはいけない大人だからね」

 「いてえな兄貴! 麻ちゃんだって嫌いだろこれ!?」


 同調を求めるように身を乗り出した健一さんに苦笑いを浮かべる。

 どちらかと言うと、私は朝拝に出るのは好きだったからだ。ぴんと張り詰めた空気の中にいると頭がすっきりして、「今日も一日頑張ろう」という気になる。


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