あやかし神社へようお参りです。②
朝拝が終わるとみんな揃っての朝ご飯になった。いつも三門さんとふたりきりなので賑やかな食卓は珍しい。お茶碗を並べていると、味噌汁を乗せた盆を持った三門さんが手を動かしながらふと尋ねてきた。
「そう言えば、昨晩は社の準備をありがとうね。何か困ったこととか、起きなかった?」
「はい、特になにごとも……あっ!」
不自然に言葉を止めて声をあげた私に、三門さんは首を傾げる。
新聞を読んでいた大輔おじさんやスマホを弄っている健一さんも何事かを私を見る。全員の視線が集まり、思わず恐る恐る口を開いた。
「あの……昨日、ユマツヅミさまに会いました」
たっぷり十秒の空白。そして爆発するように健一さんが笑い出した。
「麻ちゃん、笑いのセンスあんのな! 最高だよ、いやあ、朝からよく笑わせてもらったわ」
ひいひい言いながら目元を擦った健一さん。どうやら涙が出るほど笑ったらしい。そんな態度にかっと顔が赤くなった。慌てて「冗談じゃないんです!」と弁解する。
わかってるわかってる、と片手で私をいなす健一さんに、ほんとですってばと詰め寄った。馬鹿にするように頭を撫でられ、健一さんの服を引っ張る。
「まあまあ」と仲裁に入った三門さんが私を引き離した。