あやかし神社へようお参りです。②
門をくぐって直ぐ、視界が暗転した。身を固くする間もなく、一気に光が飛び込んでくる。ネオンの光とは違った温かみのあるオレンジ色の光は裏の社の提灯と同じ。
ゆっくりと目を慣らしながら顔をあげる。私たちはハッと息を飲んだ。
昔の宿場町を彷彿させる木造の建物がずっと先まで立ち並ぶ。豪華絢爛な細工が施され、提灯の光で黄金に輝いていた。見上げれば建物は夜空のずっと先まで伸びていて、あちこちに赤い橋が架かっている。聞いたことのない不思議な調子の音色に賑わう声。通りには同じように迎門の面をかぶった人たちでにぎわっていた。
「みくり、ここはまだ幽世ではないんだよね」
「ああ、狭間にある宿場町みたいなところだな」
「同じ面をかぶっている人たちがたくさんいる」
「これから現世に出るから人形に化ける奴が多いのだ。迎門の面は通行手形の役割でもある。突っ立ってないでとっとと歩け」
みくりにそうせかされて、慌てて私たちは歩き出した。
「なんか、もっとおどろおどろしいところを想像していたんだけど、全然違うね! それにみんな面を被っているから怖くないし」
声を弾ませた詩子は興奮気味に辺りを見回す。詩子のそんな怖い物知らずな性格に少しだけ緊張が解ける。