しあわせ食堂の異世界ご飯４
　もしカレーしかメニューがなければ、もうしあわせ食堂にはこられないかも……と、ナタリーの母親は考えていたそうだ。
　エマも話に加わって、アリアを見た。
「どうにかして、提供できるよう頑張りたいね。料理は下手だけど、もし私にもできることがあったら言っておくれよ」
「ありがとうございます、エマさん」
　そしてぺろりと平らげたシャルルも、ぐっと拳を握った。
「私も、体力仕事だったらお手伝いできますよ！」
「シャルルが頑張ってくれたら、百人力ね」
　どうやら、ここにいる全員がナポリタンの正式メニュー化を望んでくれているようだ。であれば、料理人としてその希望に応えたい。
「ちょっと作業効率を考えて、相談しますね！」
「ああ。頼むよ、アリアちゃん」
　アリアがそう言うと、ナタリーが「やったぁ」と声をあげて笑った。
　その視線はリズとララに向けられているので、しあわせ食堂にまたこられることが嬉しいらしい。
（カレーしかなかったら、こられないもんね）
　可愛い弟子のためにも、早めの新メニュー化が必要だと思うアリアだった。
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表紙・目次

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