しあわせ食堂の異世界ご飯4
 アリアの料理が大好きなリベルトのことだから、きっと今ごろ悔しがっているだろう。
「ふー、疲れたぁ」
「カミル! お疲れ様。無事に給食ができてよかったね」
「ああ」
 カミルもアリアとエマの横に並んで、ぐっと背伸びをする。
「そういや、カツ丼って面白い名前だな」
 カミルが興味深げに問いかけてきたので、アリアは今日のメニューにカツ丼を選んだ理由を説明する。
「カツ丼のカツはね、勝利の勝つにかけてるんだよ。だから、勝負事の前は縁起を担いでカツ丼を食べたりするんだ」
「へぇ、面白いことをするんだな。でも確かに、気持ちは上がりそうだ」
 カツ丼の作り方をマスターしたカミルは、もし何か勝負事があったら作ると言って笑う。でも、それなら今日も何か勝負事があったのだろうか。
「今日の勝利は何にかけてるんだ?」
「もちろん、学園の成功を祈って……だよ! この国の未来がかかってるんだから、ここで縁起を担がなきゃ!」
 戦う相手は誰だと言われたら困ってしまうけれど、敗北は学園に子供が集まらず運営ができなくなってしまったときだろう。
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