しあわせ食堂の異世界ご飯4
 それであれば、おそらくリズの迎えは夕方ごろだろう。シフォンケーキを作りつつ、包丁の基礎練習をするのがちょうどいいかもしれないと考える。
(でも、ライナスさんは夜遅くまでお仕事かぁ……いったい何時まで働いてるんだろう?)
 お昼ご飯がカレーだけで、そんな遅くまでお腹が持つだろうかと心配になる。

 実はこの世界のいいところは、残業というものがほとんどないということ。
 あまり文明が発展していないということもあって、夜遅くまで何かをするという習慣がないのだ。
 夜遅くまで開いているお店も、せいぜい酒場くらいだろう。
 電気替わりの魔法具はそこそこのお値段なので、無駄遣いをしたくないということもある。もちろん、安いロウソクを使っているところもあるけれど。

 アリアは余計なお世話かもと思いつつ、ライナスに問いかける。
「……もしよければ、夕方あたりに食べられる軽食を作りましょうか?」
「え?」
「家に帰るまでに、お腹が空いたりしませんか? あまり働き詰めですと、体も壊してしまいますし……休憩がてらにどうかなと。もちろん、ご迷惑であればそう言ってください」
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