しあわせ食堂の異世界ご飯4
「せっかくふたりがきてくれたんだから、今日はゆっくりおしよ。片付けもあと少しだけだから、私ひとりで十分さ」
 エマはそう言って、リントとローレンツを見る。
「でも……」
 さすがにそれは申し訳ないと言おうとしたが、エマは「いいからいいから」と、アリアの背中をぐいぐい押してきた。
「四人で出かけてきたらいいよ。今日はいい天気だから、買い物もいいんじゃないかい?」
「エマさん……ありがとうございます。それじゃあ、お言葉に甘えて」
 優しく笑うエマを見て、きっと自分に気を遣ってくれたのだろうと思う。
 別にリントと恋人同士であることとか、好きだとか、そういうことはいっさい言っていないのだけれど……。
(なんというか、バレてる気がする)
 女の勘だろうかと苦笑しつつ、リントに話しかけているエマを見る。
「今日は忙しいのかい?」
「いえ、そんなに急ぎの仕事は……」
「それなら、アリアちゃんたちを頼むよ。ここ最近は美味しいほうとうを作るんだって言って、仕事終わりも厨房にこもっていたからね」
「俺でよければ」
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