しあわせ食堂の異世界ご飯5
「カミル?」
「いや、なんか元気出たみたいだったからさ。よかったなって」
「……!」
 料理のことを考えていたので、頭の中がそれでいっぱいになってしまった。とても楽しそうな笑顔だったということは、さすがのアリアも自覚した。
「やっぱりアリアは料理のことを話しているときが、一番いい笑顔だな」
「……ありがとう」
 嬉しいような、ちょっと周りが見えていなかったみたいで恥ずかしいような。とりあえず、誤魔化すように照れた笑みを浮かべるので精一杯だった。

 ***

 王家が主催する夜会は、王城にある一番大きなパーティホールを使う。
 天井には花を模した細工のシャンデリアに、床には柔らかな絨毯。音楽家たちがクラシックを奏で、中央では招待客がダンスを楽しんでいる。
 今回、アリアたち他国の姫君はそれぞれが国賓として迎えられている。高らかに鳴り響くラッパの音とともに、ひとりずつ入場していく。
「エストレーラ王国第二王女、アリア・エストレーラの入場です」
 落ち着いたオフホワイトの色合いを基調とし、白色のレースと水色のリボンを差し色にした、背中部分が開いたオープンバック・ドレス。
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