しあわせ食堂の異世界ご飯5
 できる限り動揺を表面に出さないように、その婚約の内容を聞く。
「わたくしも、誰かまでは存じません。ただ、そこにロスタン公爵が関わっているということは確かですわ」
「ロスタン公爵が? 彼は、リベルト陛下に婚約者ができたら不利になると思うのですが……」
「ええ、そうね。リベルト陛下にお子が生まれれば、彼は皇位から遠くなるもの」
 誰でもわかることだと、セレスティーナは言う。
 しかし、リベルトに婚約者ができてロスタン公爵が不利にならない方法がないわけでもないとセレスティーナは続ける。
「……発表されるリベルト陛下の婚約者は、おそらくロスタン公爵派の令嬢でしょう」
「あ……」
 セレスティーナの言葉に、アリアはぐっと拳を握る。そんなアリアに気付いているのかいないのか、セレスティーナは小さく息をつく。
「わたくしたちは妃候補として王城への滞在を許されていますが、リベルト陛下がほかの女性を選んではいけないというわけではないのですから」
 皇帝であるリベルトが決めた女性なら、他国の姫でも、自国の貴族の令嬢でも、別にどちらでもいいのだ。
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