しあわせ食堂の異世界ご飯5
 皇位継承権は、現皇帝であるリベルトの子供が第一位となる。今は子供がいないため、先帝の弟であるライナスが一位だ。
「……だからといって、娘を犠牲になどできるわけがないだろう」
 皇帝になるための手段を択ばないのであれば、娘を政治利用すべきだろう。
 しかし、リズベットのことはとても可愛がってきたし、ずっと幸せに暮らしてほしいと思っている。
「政略結婚なんて、リズにさせられるわけがない!」
 ライナスは声を荒らげて、ルシオを見る。
 確かに貴族は政略結婚が多いし、自分の息子にも結婚相手の家柄はきちんと見極めるように口をすっぱくして言っている。
 そんな怒りをあらわにするライナスに、ルシオは苦笑するしかない。
「……お言葉ですが、どう見てもおふたりは相思相愛です。むしろ結婚をさせないことのほうが、ある意味政略結婚になるのではないですか?」
「………………」
 正論すぎて、ライナスは反論ができない。
 このままなにもしなければ、愛し合うふたりを切り裂く悪者はライナスということになってしまう。
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