しあわせ食堂の異世界ご飯5
 とはいえ、こういったときに連絡をもらえないのは困ってしまう。かといって、納品をふたり体制にするにはコストがかかる。
 今後は馬車の整備を毎朝行うということで落ち着いた。
「それで今回の野菜の件ですが……もう昼食は用意したとノーマンさんに聞きました。それで、野菜ではなくデザート用の果物で代替するというのはどうでしょうか?」
 馬車を見ると、たくさんのバナナが積んであった。これなら厨房で皮をむいたりする手間もなく、そのまま生徒に出すことができる。
 お好み焼きだけでは物足りないかもと心配していたので、アリアは商人の提案を受け入れることにした。
 そのほか金額などの調整は、学園の事務職員にお願いする予定なのでその旨を伝えてこの話は終了だ。
「ふう、一件落着かな」
 本当ならリントと一緒に学園を見学する予定だったが、厨房だけで予定していた半日すべてを使ってしまった。
(もう少し一緒にいたかったな)
 そう思うのは贅沢かもしれないけれど、昨日の夜から楽しみにしていたのだ。そんなことを思いながら、アリアたちは学園を後にした。
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