我妻教育3
『モデルの仕事はキャンセルすることにはなったが、やむを得ない。
先程まで一緒に居たのだが、マイラも大丈夫だと言っておったし、動揺して騒ぎにしてしまったことを気にしていた』

「…そっか。そうだよね、ネイルの撮影って言ってたもんね。
本当に悪いことしちゃった…。
それに啓志郎くんもごめんね」

せっかく教室に来てくれたのに、中途半端で終わってしまった。

『マイラのことは、未礼が気に病むことはない。
誰の責任でもない、ただの事故だ。
それに私のことならば気にする必要はない』

「うん…。ありがとう…」

『未礼、大丈夫か?』

あたしを心配している優しげな声だ。
声がしみて、泣きそうになる。

「大丈夫だよ~」

『何かあれば、すぐ連絡してくれ』

「うん、連絡ありがと~。じゃ、お休み」

『お休み』

マイラ姫の泣き顔とマネージャーの鋭い視線が、ぐるぐる頭の中にまわって、なかなか寝付つくことができなかった。
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