我妻教育3
*.*.*.4.土曜日
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「金峰下舞羅お嬢様の件ですが…」

出勤してすぐ社長(女性)の部屋に呼び出された。

社長は、いつも通りの穏やかな表情だったものの、言い様のない緊張感が漂っていて、思わず身構えた。

昨日のマイラ姫の火傷の件について、マネージャーさんが、うち社長と話をすると言っていた。
その話のことだ。

「会社として調理指導を契約社員にさせていた管理責任を問われましたが、大きな問題にするつもりはないと、寛大なお言葉を頂いています」

「…そうですか」

ほっと胸を撫で下ろすも、社長の話の続きを聞いて、体が固まった。

「ですが、舞羅お嬢様は、今回のお怪我によりモデルのお仕事をキャンセルせざるを得なかった。
精神的にもショックを受けておいでです。
こちらとしては、キャンセルに伴う違約金を負担することで話はまとまりました」

違約金…。その恐ろしいワードに畏縮する。

後悔してもしきれない。あたしがもっと見ていれば。
でも、側にいても跳ねる油から守れただろうか…。

あたしもしょっちゅう油でヤケドする。
多少痕ぐらい残っても、あんまり気にしないけど。
モデルであるマイラ姫はそうもいかない。

「わたしも、マイラさんにもう一度直接お詫びしたいんですが…」
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