執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
うつむいた私に、田端くんは苛立ったように言う。
彼からみれば、恋愛経験がすくなく鈍感な私はじれったく感じるのかもしれない。
ぐっと唇を噛んだとき、大山さんに声をかけられた。
「広瀬さーん。お電話です」
そう言われ顔を上げると、田端くんはため息をついて立ち上がる。
「じゃあ俺行くわ」
「あ、うん」
彼を見送ってから電話に手を伸ばすと、外線のボタンが光っていないことに気付いて首を傾げる。
「大山さん。電話って何番?」
不思議に思ってたずねると、大山さんは「あ。ごめんなさい、嘘です」とあっけらかんと答えた。
「えっ、嘘?」
「なんだか広瀬さん、言い寄られて迷惑そうにしていたから」
私の様子に気付いて助け船を出してくれたらしい。