執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
私がそう言うと、雅文は驚いたように言葉につまり口元を手で覆う。
どうしたんだろうと見ていると、顔をそらした彼の耳のふちが、じわじわと赤くなっていくのに気が付いた。
私に好きと言われただけで、照れている?
そう思った途端、ぶわっと頭に血が上った。なぜかわからないけれど、胸のあたりが苦しい。
ドキドキとうるさい自分の鼓動を聞きながら横目で雅文をうかがうと、彼も私と同じタイミングでこちらをちらりと見た。
目が合って、跳びあがる。慌てて顔をふせ、動揺を隠すために深呼吸をくりかえしていると、ぽんと頭をなでられた。
「俺も、いつも仕事に一生懸命で人のために動ける広瀬のこと、好きだよ」
雅文は大きな手で私の頭を包み、前を向いたままそう言った。