妖狐の瞳に恋をした
目を開けると、あの公園の楓の木の所に立っていた。

「戻って来ちゃった・・・・。」

公園から家までとぼとぼと歩いた。

家の中に入ると、何も変わらない静かな家。

さっきまでの生活が幻のようだった。

「また、一人になっちゃった・・・。」


どのくらいたったのだろう・・・。

どうやら戻ってきてから、床に座り込んでいたらしい。

元の世界に戻りたいと言ったのは、私だ。

翡翠の側を離れると決めたのも私・・・。

「もう、クヨクヨしないの!」

翡翠とのことは夢だったんだ、忘れよう。


私は、自分の気持ちに蓋をした。
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