妖狐の瞳に恋をした
「蘇芳のおかげで体も戻った、そして瑠璃とやっと想いが通じ合えた。

 もう、瑠璃を離す気はない。

 だから、考えたんだ、俺も人間界で瑠璃と一緒に暮らそうと思う」

「ええ!そんなことして大丈夫なの?」

「大丈夫だ、行き来もできるし、実は俺の両親は人間界で暮らして

 るんだ。」

「そ、そうなの。」

「人間界で暮らす妖は意外と多いんだ。俺の親は普通に会社で仕事も

 してるし、浅葱も毎日こっちと人間界を行き来してる。」

「そうだったの」

「瑠璃も学校があるし、俺もあっちで仕事するつもりだ。

 いろいろ準備もあるから、その間瑠璃には一旦あっちに戻ってもらって

 いつも通り生活して待っててくれるか」

「本当に来てくれる?」

「あぁ、週末には家に行くよ」

「分かった、私、待ってるね。」

それから、あの赤い鳥居の前に行き、しばしの別れを惜しみ抱き合った。
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