二度目は本物の恋をしよう【番外編追加】
席にもどる直前、クミちゃんからメッセージがくる。

「今日、定時?お茶しよ」

「定時がんばる。お茶しよ」

さっきの東山さんの誤解発言の衝撃をクミちゃんに聞いてもらおう。


定時に仕事を終わらせて、会社近くのカフェでクミちゃんと待合せ。

早速昼間の話をクミちゃんにすると

「ちゃんと否定したんでしょ?」

「びっくりしすぎて、声がでなかったらそのまま話がそれちゃって、ちゃんと信じてくれたか自信ない。」

「ふ~ん。愛海に彼氏がいると思っても、今日も愛海のこと誘ったんでしょ?自分も同じことしてるから責められないと思ったのかな」

「私も同じこと考えたけど・・私に彼氏がいてほっとしたのかも」

私はあのあと、そのことばかり考えて仕事に集中できなかった。東山さんはあまりショックを受けているように見えなかった。

ますます、都合のいい女決定!的な状況になってしまったのではないかとなんとも悲しい気持ちになってしまっていた。私の中では、私の彼氏は東山さんだ。

「今日ランチのとき、愛海と彼見かけたとき思ったんだけど彼といるときの愛海の雰囲気、ちょっといいな、って思ったんだよね。穏やか、というか、優しい、というか。東山さんのこと本当に好きなんだなってわかった。それに、東山さんも、愛海のこと見る目が優しいよね。 愛海のことがかわいくてしょうがない、って感じだった。私たちにあいさつしたときは目が怖かったけど。」

否定的なことをばかり言われていたクミちゃんから初めて聞かされる言葉。かなりうれしいけど、この先東山さんの側にずっといられるとこは、多分、ない。東山さんが本部ビルに行ってしまったら、もしかしたら、自然消滅かもしれない。そう考えるとまた悲しくなる。

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