First Snow
「さっきの質問の答え。私いまずっとこっちにいるの」
「本当に?」
「なんで嘘言わなきゃいけないのよ」
フフッと笑ってみせると、さっきまで強張っていた輝の表情も柔らかくなって口元に弧を描いた。
「輝のおかげでね…やりたいことがある大学にも進学できて、こっちで今それを仕事に出来てるよ」
「そっか…そうなんだ」
「でも好きな人が出来たっていう言い訳は流石に傷ついたかな」
「……ごめん。俺も、もっと他に言い方とか、方法があったんじゃないかと…今ならわかる」
しゅん、と悲しそうに俯く輝が可愛く思えた。
全部知ってるよ。私のためだったんだもんね。
一人でたくさん考えて、そんな結果にさせちゃってごめんね。
私は輝の頭に手を伸ばしてポンポンと撫でた。
「お互いがちゃんと話せなかっただけだから輝だけのせいじゃないよ。悲しい気持ちにさせてごめんね」
「………っ」
そう言うと、頭を撫でていた私の手の上に輝の冷たく冷えた手が重なった。
そして…その手がギュッと握りしめられて…輝の瞳が真っ直ぐに私を捕らえた。
「じゅん、俺今でもじゅんのこと忘れられないくらい好きなんだ。だから……もう一度チャンスをくれないかな?」