First Snow
スマートフォンをいじっていた手は真っ赤に染まっていて、それを隠すようにポケットに両手を滑り込ませた輝。
先程輝が座っていたように私も植木の縁に腰掛けて、空を見上げた。
「なんかさー…私たちって、冬に縁があるよね」
「…そう?」
「輝と付き合い始めたのも冬でその年の初雪を一緒に見ました。輝と別れたのも冬で寒かったなぁ。そしてなぜか今日こうやって友達の結婚式で再開」
「……確かに」
はぁーっと息を吐くと白いふわふわとした空気が雲を描いて消える。
「……ごめん。嫌な態度とって。私何も知らなかった。輝にフラれて被害者ヅラしてたの」
「え…?」
横に座った輝にごめん、と小さく頭を下げると彼は再び驚いたような声をあげ、困惑の表情を浮かべる。
翔太郎くんから聞いた、というと少し気まずそうに口をへの字にして両手で顔を覆った。
「じゅんは何も悪くない。…女々しいよなぁ。フッたの俺なのにズルズルとこんな歳になるまで引き摺ったりして…」
「なんか、輝らしいなぁと思った。でも嬉しかった」
「え?」
私は…翔太郎くんから輝の話を聞いて、嬉しかったんだ。
そこまで私のことを考えていてくれたこと、未だに私のことを想っていてくれたこと両方に。