欲しがりな幼なじみ


前とは違う関係だということに、不安がないといえば嘘になる。


でも、由良くんの隣にいたいから。

逃げないと、決めたから。



それから、ふと思った。



「あのさ、由良くん」

「なに」



相変わらず眠そうな由良くんに、私は自分の右手をあげて見せる。




「手、繋ぎませんか」




正直言うと、こんなことを自分から言うのは顔から火が出そうなほど恥ずかしい。


恥ずかしいから、由良くん、笑わないで。



「意外。お前、そんなこと言えるんだ」

「ちょっと、バカにしないで」



クツクツと、可笑しそうに笑う由良くんに頬を膨らませる。

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