欲しがりな幼なじみ


いいでしょ、別に。



「安心したいんだよ。まだ、実感湧いてないの」



由良くんの特別は、私だけなのか。

由良くんは、私だけのものなのか。




「……ダメですか」




チラリ、由良くんを見る。

口元に片手を当てて、満足そうに彼は笑っていた。



そのまま何も言わずに、由良くんは私の右手をギュッと握る。


途端に、胸が暖かくなって、自然と笑みが溢れた。



そんな私を見て、由良くんが一歩近付く。

顔を覗き込むようにして私と目線を合わせた由良くんは、





「……欲しがり。」




そう笑って言って、キスをした。







< 182 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop