欲しがりな幼なじみ
具体的なことは何も言わない志保に、少しムッとする。
由良くんが他の女子に取られるって、何それ。
別に、わたしは何とも思わないし……。
「あっ、結佳!危ない!!」
「へ……」
大きな声で名前を呼ばれて、コートの方を見た。
と、その瞬間すごい勢いで顔面に飛んでくるボールに気づく。
「いっ、たぁ」
……まぁわたしには、そんなボールを避ける運動神経も反射神経もないので。
「わぁぁっ結佳!ゆいか、ごめん、大丈夫!?」
その場に倒れ込んだわたしに駆け寄って、心配そうな顔をするみんなになんとか頷く。
「結佳、オデコ赤くなってる。保健室行こ?」