【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
空っぽになった理生くんの紙コップに一言聞いてからお茶を注いでいると。


「今宵ちゃんいい子だなぁ。駆、大事にしろよ」


そんな理生くんの声は少し真剣そうで。


「余計なお世話」


駆くんは聞きなれたように受け流していた。


「今宵ちゃん本当に大丈夫?こいつに大事にされてる?」

「うん」と即答して、ルイちゃんに目を移した。

「駆くんは今宵のこと大事にしてると思うよ?」


ルイちゃんもそういいながら「なんでそんなこと聞くの?」と首を傾げる。


「あ、そ? ならいいんだけど。つーかこのチョコケーキうまぁ」


理生くんがフォークに刺したケーキにかぶりつくのと同時にその話は終わった。



やっぱり軽いって言われてるからなのかな。


ルイちゃんも“軽い”って話聞いたって言ってたし、色んなうわさがあるのかな?


でもあたし、駆くんのことを信じる。


いたずらっぽくからかわれてばっかりだけど、大事にされてるって思う。


あたしの捉え方は、間違ってないよね?

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