【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

「はぁ……っ」


唇が離れた。


乱れた息は二人分。


一畳も満たないシャワールームで駆くんの熱を持った薄茶色の瞳は、あたしをただ見ていて。


腰が抜けてもおかしくないドキドキに支配されているあたしに、彼はとどめをさす。



――コツン。



額に額をぶつけた彼は。



「……俺、よく耐えてると思わない?」



熱を孕む声がそう言って、あたしを突き放した。



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