【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
……え。これって。


明らかに新品のパッド付のキャミソールとおそろいの下着……。



もしかしてこれを借りてきてくれたの?


急いで着替えて、駆くんのところに行った。



「あの、保健室でその……着替え、借りてきてくれたの?」


「うん」


「ありがとう」



こんなの男の子が借りに行くなんて。


「……恥ずかしかったよね?」


「別に?」



そういう駆くん顔、別に、って顔してない。


さすがの駆くんだって、


「ぜったい恥ずかしかったよ……」


「うるせーよ」


駆くんは全然こっちを見ないけど、耳が赤いの。


「ほんとにありがとう」


その声はきっと届いたけど、駆くんはなにも返さず、立ち上がって伸びをした。



「……遅刻してるけど、授業行くかぁ」


ん、と差し出された手のひらはあたしの手を優しく包む。



「遅刻させてごめんね」


「いいよ。俺、今宵の世話すんのけっこう好きだから」


にぃー。


そうやっていたずらっぽく笑う横顔。



どうしよう。




好きが溢れて止まらないの。


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