【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
「衣川さん、髪にチョークの粉落ちてるよ」


「え」


ポンポン、と振り払う音羽くんの手。



「あ、大丈夫、自分で」


と言いかけたとき、グゥっとお腹が鳴った。



「……あっ」


とっさにお腹に両手を張り付けた。



や、やだ。ぜったい、聞こえたよね……?


恐る恐るうかがう音羽くんの表情。


目が合うと、ほんの少し目を細めた。


「わかるよ。放課後ってお腹すくよね」



……っ、やっぱり聞こえてた……。


恥ずかしい……っ!



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