【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
心臓が痛いほど動いてる。不安に押しつぶされそう……。
でも、だからこそ知りたいの。
「大丈夫」
そうはっきり答えたあたしに、金髪の彼は教えてくれた。
「駆は中学の時に初めて付き合った先輩がいたんだよね。二条先輩っていう1個上のすこぶる美人」
「二条先輩……」
駆くんの口からは聞いたことないな。
駆くんが初めて付き合った人。
美人の先輩……。
「その二条先輩っていのがいつも親友と二人で行動してる人で、その親友ってのが二条先輩を上回る桁外れの美人でね」
「美人が2人も……」
「まぁその二人くらいだったけど。で、『二条ってだけあって、二番だな!』みたいなからかわれ方はたまにしてて。うちの中学幼稚だったから。二条先輩にみんな構ってほしくてそう言っててね」
懐かしそうにスマホ画面を操作する金髪君。
「あった。これ、二条先輩とその親友ね」
画面に映る女子二人は本当にきれいな人。