【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
大通りを抜けると、閑静な住宅街にはいる。
濃紺の空に夏の星座。銀色の粒が空高く輝いている。
駆くんと手をつなぐ今が、ずっと続きますように。
そう思った瞬間、一筋の流れ星が空を横切った。
「あ……!」
「え?」
「流れ星見ちゃった!」
「え、すげー。俺見たことない。なんか願えた?」
「……うん、多分」
一瞬すぎて、叶えてもらえるかわからないけど。
だけど。
なんでだろう。流れ星のちからなんかなくても、叶うような気もするんだ。