【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

「今宵?なにしてんの」


その声にドキンと心臓が跳ねる。


「あ……駆くん……」


「もしかして、お前今宵に告ってた?」


駆くんよりずっとガタイのいい彼に、強気でいうんだもん。


「はぁ?」


「相変わらず人脈が狭いねぇー」


「……。なんでお前が来るんだよ?」


「俺、今宵の彼氏ですけど。普通告白する前に彼氏いるかどうかくらい確かめない?」


駆くんがあたしの腕をぐいっと引っ張って、
あたしは肩を抱きかかえられてしまった。


「か……駆くん……」


体が熱くなる。
顔も……。
でもそんなあたしを駆くんはちらっとみて、楽しそうに口角を上げた。

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