【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
あたしはかかとをあげて、つま先立ち。


駆くんの制服を少しつまんで見上げると、綺麗な顔があたしを見つめて……いて……。



うう、顔が、あつい……。



駆くんはあたしが届くように、かがんでくれたけど、


駆くんの綺麗な唇にピントが合って……。やっぱり無理だよ……!



だからあたしは、駆くんの頬を狙って唇を近づけた。


なのに、寸前でまさか駆くんがこっちを向くなんて。



ーーちゅ。


あたしの唇と触れ合ったのは紛れもなく、駆くんの唇。


目を見開いた。


がばっとのけぞって、駆くんから離れる。


「かっ、駆く……」


「そういうことすると思った」



「……っ」




呆れ顔の駆くんは、あたしの頬に手を伸ばした。



びくっとして目を閉じる。


「……ま、練習だよね」



駆くんは悪戯っぽく、クスッと笑った。



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