完璧人間サマは私に夢中。
「職員室行ってきます。」
チョコが書類を持って生徒会室を出て行った。
今日は俺以外の2年生はいなかったし、カレンもシュンも用事を優先して帰っていた。
今この空間には、俺と兎羽の2人しかいない。
この事実が、兎羽を独り占めしている気分にさせてくる。
今この瞬間は、俺だけの兎羽。
そんな傲慢なことを考えていた俺は、つい。
つい、兎羽に俺のことを感じてもらいたくて。
兎羽の綺麗に透き通った瞳で、俺のことを見てほしくて。
封印したはずの声で、態度で、兎羽に話しかけてしまった。
俺の声に反応して、勢いよくこちらを見る兎羽。
兎羽が俺のことを見てくれている。
大好きな兎羽が、俺の声に反応してくれた。
嬉しさが込み上げてきて、口角が上がってしまう。
でも、ここで笑顔になるのは駄目だから。
兎羽は望んでないから。
無理矢理無表情にして、視界の端で兎羽を見る。
兎羽から見たら、俺はパソコンを見て、文字を打っているように見えるはず。
実際はパソコンを見るフリで兎羽を見つめて、画面には意味を成さない文字の羅列を生み出しているだけ。