いたずらな入江くん
「お菓子………今、持ってない……。あとでなら………」
「だめ。今すぐ」
「い、入江くんのせっかち……」
わたしが呟くと、入江くんはクスリと小さく笑って。
「せっかちなんて、初めて言われた。俺がもしせっかちなら、浅木のこととっくに……」
とっくに──。
続きの言葉を繋げるように、入江くんはわたしの首もとに顔を埋めた。
「ひゃ…………っん」
ちう、と肌を吸われる感覚がして、頭が真っ白になって。
「…………あれ、固まっちゃった」
数秒後、ハッとしたときには、いじわるな笑みを浮かべた入江くんとまた目線が重なった。