【完】STRAY CAT
「……まるで俺らも同じ道たどってんだな」
恭が、じっとわたしを見つめる。
パフェの中のアイスは、いつの間にか溶けて甘ったるいクリームへと化していた。
「……俺がもっと早く、言ってたら。
お前も俺に助け求められたかもしれねーのにな」
恭が手を伸ばして、わたしの頭を撫でてくれる。
優しくて、安心する手つき。
「……俺は一人っ子で、どうせ跡は継ぐしかない。
だから婚約者としては、文句ナシだと思う」
「………」
「あいにく俺は親と特別仲がいいわけでもねーし。
お前にも家のこと言わなかったのはそれがデカくて」
何度家に行っても、花蔵家は両親不在だった。
どうやら存在はしているようだったから、わたしも深くは聞いてこなかったけれど。
「でももう包み隠さず言うことにする。
……これ以上、変なプライドでお前とすれ違ってたまるかよ」
「恭、」
「婚約は俺とすればいい。
……そしたらもう、なんの問題もねーな?」
優しい問い掛けに、こくこくと頷く。
あすみくんが言っていた通り、案外上手くいくこともあるらしい。……というか。
「……言ってくれたらいいのに」
あすみくんに先日話したから、彼はわたしが恭のことを好きだってことも、橘花の跡継ぎなことも知ってるはず。
そして恭がフルールの跡継ぎだってことを、あすみくんが知らないわけないし。