COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『私、』
理央が何かを言いかけた時、背後から声がした。
『おはよう、理央ちゃん、優香ちゃん』
振り返ると、花緒先輩がコーヒーを片手に立っていた。
「花緒先輩、おはようございます。
あれ?昭香先輩は?」
いつも花緒先輩と一緒の来るはずの昭香先輩の姿が見えない。
『今日は少し寝坊しちゃったから、会社に直行するみたい』
『え!昭香先輩がですか?』
理央が目を丸くする。
驚くのも無理はない。
今までに昭香先輩が寝坊をした、なんていうことも
ましてや遅刻するなんていうことを聞いたことがない。
『ま、昭香さんも人間なんだからそんな日もあるわよ』
そう言って花緒先輩は席に座った。