COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
無事にすべてのタスクが終了したのは
終業時刻の一時間半後だった。
『さ、皆帰るよー!』
残業の疲れを全く感じさせず、
昭香先輩がけろっとした顔で笑った。
『本当にありがとうございましたぁー』
『理央、あんた顔くすんでる!』
『まじですかーー!?』
悲鳴を上げながら化粧を直す理央を横目で見つつ、帰り支度を整えると
皆でオフィスを後にした。
エレベーターホールに到着すると、
先頭を歩く理央がエレベーターを呼ぶためのボタンを押した。
すると、間もなく機械音が鳴る。
『あ、すぐ来るみたいです!
やっぱりこの時間になるとすぐつかまりますねー』
エレベーターの扉が開くと、そこには先客がいた。