COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
視界の端に映ったステンドグラスの光が、じわっと横に伸びる。
「ずっとこうしていたいです…」
虚ろにつぶやいた声は彼に届いたのか。
見下ろす彼と視線を合わせると、絡まった指が自然と解けた。
『僕だって、ずっとここに閉じ込めておきたい』
そう言うと彼はニコリと笑う。
けれどその言葉はきっと冗談ではないのだろう。
目の前、開けた視界に少し名残惜しさを感じる。
けれど、彼にもっと求められたい。
もっと沢山、もっと深く。
どんどん欲深くなる私を知ったら、彼はどんな顔をするだろう。
彼の欲に囲まれながら、私はそんなことを思った。
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