COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

『そりゃ、見てたら大体わかるってー!!』

そう言って彼女はケロッとした顔で笑う。

これだから私は、彼女のことが大好きなんだ。

気付いていたのにも関わらず何も言わない私を責めることも、問い詰めることもしなかった。
それどころか私をこうして心配してくれている。

そんな彼女に嫉妬して、一人でから回って。
恐らくそれさえも昭香さんにはお見通しなんだろう。

私はきっと昭香さんには一生敵わない。
女としても、人間としても。

「昭香さん、ごめんなさい…ありがとうございます」

心から言ったその言葉に、
彼女は微笑むとなんで謝るのよ、と照れくさそうに視線を逸らした。


《さっきはごめんなさい。

仕事が終わったら、連絡ください。》

そのメッセージに返事が来たのは、デザートのチュロスがテーブルに到着した時だった。
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