COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
理央はまるで芸能人のスキャンダルを騒ぎ立てるかの如く、どんどんヒートアップしていく。
それをニコニコと見守る伏屋室長。
いつもの光景だ。
そんな中、お昼のチャイムが鳴ってからというものの昭香先輩はずっと手を止めて押し黙ったままだった。
いつもならば、こんな雑談もぶった切ってお昼御飯の支度をする号令を出すのだけれど。
目で合図をするように花緒先輩を見つめると、花緒先輩はそれを悟ったように口を開いた。
『さ、お昼にしましょう!ね、昭香さん』
『え?
あ、ごめん、そうだね!』
昭香先輩は咄嗟に繕ったように明るく振舞った。
今朝からずっとこの調子だ。
それでも仕事に全く支障をきたしていないのが昭香先輩らしいのだけれど
無理をし過ぎてはいないか、少し心配になる。